いぼとは、医学用語で「疣贅(ゆうぜい)」と言われ、いくつかの種類があります。 いぼには老人性イボなどの非ウイルス性のものと、尋常性いぼや水いぼなどのウイルス性のものとがあります。
老人性いぼとは、正式には「老人性疣贅」(脂漏性角化症)と呼ばれます。 主に中高年に現れ年齢とともに増加しますが、20代でも出来始めることがあります。
老人性いぼは、遺伝的要因や紫外線による皮膚の老化が、主な誘因と考えられています。 顔面、頭部、前胸部、背部などによく見られ、その他手のひらや足の裏以外、全身どこにでも発生します。 いぼの色は皮膚色~黒褐色で、大きさは数ミリから2~3cmくらい、平坦なものから盛り上がったものまで様々です。
良性のいぼなので、身体に害がありませんが自然治癒することはありません。 見た目が気になる、いぼが日常生活において引っかかって出血してしまうなど問題がある場合は切除した方がよいでしょう。
水いぼは、伝染性軟属腫と呼ばれ、小さなお子さんに発症しやすい皮膚病のひとつです。ウイルスが原因で皮膚の接触感染により起こります。2〜10mm大、表面は平滑で光沢があり、中央がへそのようにへこみます。
水いぼは、いずれ皮膚の免疫がウイルスに勝り、自然治癒することもあり、重い病気ではありませんが、他の部位に広がったり、 プールなどで皮膚接触によりほかのお子さんにうつるので注意が必要です。
当院では医学上、医療安全上の観点から伝染性軟属腫(水いぼ)の摘除は控えさせて頂いておりますのでご了承下さい。
ウイルス性いぼは、尋常性ゆうぜいともよばれ、ヒトパピローマウイルスの感染が原因で、特に手指、足底に多くみられます。 皮膚色~淡紅色~黒褐色調、表面が粗く、1mm大から数cm大までになり、ウイルス性のため、他の部位へ感染し広がります。 ヒトパピローマウイルスによる感染では、他に顔によくみられる扁平疣贅、陰部や肛囲などにみられる尖圭コンジロームなどがあります。
治療は、液体窒素による凍結療法、レーザーや電気メスによる焼灼術などがありますが、再発しやすいため、自己判断で通院を中断せず、根気強く通うことをおすすめします。